2008年にColdplayがリリースした「Viva la Vida」。
とっても素敵な曲ですが、タイトルや詩の意味が良く分からない…!ので、調べて日本語訳で歌ってみました!

歌詞の「I」が誰なのかに関しては諸説ありますが、
今回私は、自分の意志ではなく周りの大人に「王様にさせられてしまった」男の子を「I」の主人公として、和訳してみました♪

※本記事では「元々の英詩」→「和訳」→「訳詩(日本語に訳した歌詞)」の流れで、文法をはじめ詩の世界観などをご紹介します!できるだけ元の歌詞のニュアンスを崩さないように訳しています(私個人の解釈ですので諸説アリです♪)

※前半は解釈の説明が主なので、日本語の歌詞全体を読みたい方は、記事の下部へGoです!

Contents

Viva la Vida 出だし:英詩 I use to rule the world~

I use to rule the world
Seas would rise when I gave the word
Now in the morning I sleep alone
Sweep the streets I used to own

訳詩

私はかつて、この世界を支配していた
私が命じれば、海さえも荒ぶったものだ
でも今は朝、独りきりで眠り
かつて私が支配していた路を履いて掃除している



Seas would riseがなぜこーなる!?

“used to~”は「以前は~だった」と過去の習慣的動作を表すのに対し、”would”には過去の反復的動作を表す意味があります。
なので、下記の流れを経て今の訳に落ち着きました。
「海が上がったものだ(直訳)」→「海は水位を上げたものだ(意訳)」→「海は荒ぶったものだ(さらに意訳)」
「海さえも」の「さえ」は、元の英詩のニュアンスが出ると思ったので入れています。

さらに気になる「Seas」

「海」なら「The sea」じゃないの?何故複数形?と疑問に。
可能性として考えたのは

  • 1か所ではなく「様々な海(つまり領土が広い)」を意味している(太平洋、日本海、オホーツク海の様なイメージ)
  • さざ波を「shor seas」と表現するので、「波」を意味している

 
いずれの場合でも、「主人公の支配力がいかに凄まじかったのか」が分かりますね…。

日本語訳

独りきりだった みんな僕を呼ぶけれど
僕は孤独な王様…昔々の話

I use to ownが伝える主人公の孤独感

“Sweep the street”の「Sweep」は「掃く」を意味する動詞の現在形
“I used to own”の「used to」は前述の通り、過去の習慣を表します。

直訳すると

(現在は)路を履いている
そしてその路は、かつて私のものであった

 
主人公の孤独感が、この出だしの4行に凝縮されています…T▽T。セツナイ!!

Viva la Vida 1番:英詩 I used to roll the dice~

I used to roll the dice
Feel the fear in my enemy’s eyes
Listen as the crowd would sing
“Now the old king is dead! Long live the king!”

One minute I held the key
Next the walls were closed on me
And I discovered that my castles stand
Upon pillars of salt and pillars of sand

訳詩

私はかつて、サイを振っていた
感じたのは、私の敵の目に映る恐怖心
そして傾聴すれば群集の歌が聞こえたものだ
「古い王は死んだ!新しい王様万歳!」と

一時は私がカギを手にしていた
でもそれもつかの間、壁は私の目の前に立ちはだかり
そして気が付いたんだ 私の城は
塩の柱と砂の柱で支えられていたということに

long live the kingって?

なんとなくニュアンスは分かるけれど、何故「long live the king」が「王様万歳」になるのか気になり、自分なりに考えてみました。

「長生きする」という意味で、「live long」という慣用句があります。

  • I want the king to live long.(王様に長生きしてほしい)
  • I want to live long with the king.(王様と共に長く生きたい)
  • I long for the king living long.(王様が長生きできるよう切に願っています)

 
なんだか、王様への愛をものすごく感じますね//▽//
”王様が長生きする=その王朝が長く続く”ということになるので、”王様に長生きしてほしい!→今の王朝を支持しています!→王様万歳!”になるのかな、と今のところ考えています。

日本語訳

思い通りだった 人の命さえ
無責任に人は 僕を崇めては唄い続けた
でも分かってたんだ ずっと ただ虚しくて
僕の部屋に残ったのは 乾ききった砂の柱

I used to roll the diceの意味する大きな権力

“roll the dice”で「サイコロを転がす」という意味になりますが、
サイコロを振るシーンと言えば、カジノやボードゲーム、サイコロ遊びなどが主です。

ゲームにおいては、順番やレート、勝敗など、様々なことがサイコロの目によって決められます。
そんな重要なサイコロを「かつては自分が振っていた」のですから、物事の主導権、決定権を全て持っていたということになりますよね…。スゴイ・・・

ですので、ものすごくの大きな権力というニュアンスを出すために、日本語訳としては「人の命さえ思い通りだった」をあてました。

Viva la Vida 1番サビ:英詩 I hear Jursalem bells~

I hear Jerusalem bells are ringing
Roman Cavalry choirs are singing
Be my mirror, my sword and shield
My missionaries in a foreign field

For some reason I can’t explain
Once you’re gone there was never
Never an honest word
But that was when I ruled the world

訳詩

エルサレムの鐘の音が聞こえる
ローマ騎兵隊の聖歌隊は歌っている
私の鏡となれ、剣となれ、盾となれ
国外にいる私の宣教者達よ

何故かは分からないけれど何か理由があったのだろう
あなた達は行ったきり戻って来なかった
本当の言葉なんて一言もなかった
でもそれが、私が世界を支配していた時の姿だったのだ

Never an honest word…切なすぎる王様・・・

”honest”は「誠実な」や「正直な」など、人が実直・素直であることを表す言葉です。
なので、”honest word”は嘘のない、本音素直で誠実な言葉というニュアンスになります。

が!しかし!それが・・・Neverなんです。。
しかも”an” honest word で単数形です。
つまり・・・

本当のことなんて一っ言も言われなかったという意味に…T▽T。。。。切なすぎる!!!

日本語訳

頭の奥で鐘の音が響き渡って…
僕はいったい誰? 誰も教えてなんかくれないさ
何もわからない 誰も 何も言わないから
そんな世界の 僕は王様だったんだ

Roman Cavalry choirsはどこに行った?

「Jursalem bells」や「Roman Cavalry choirs」「missionaries」は「エルサレムの鐘」や「ローマ騎兵隊の聖歌隊」「宣教師」は、多分キリスト教に関係ある言葉。

どの単語も文字列的な意味は理解できますが、感覚として理解できなかったので、日本語訳には入れず訳して歌ってみました!

きっと「Jursalem bells」とか、この曲を象徴する相当重要なキーワードだあるとは思うのですが・・・(楽曲中にも鐘を打つシーンや、実際に「ゴーンゴーン」って音がめっちゃ入ってます)
「こんな捉え方もあるんだな・∀・」と暖かくご覧いただけると嬉しいです!w

Never an honest wordの日本語訳は?

この曲の主人公「I」「王様にさせられてしまった」男の子
なので、周りの大人は誰一人として本当のことを教えてくれない「王様」と周りには言われているけれど、本当は僕は誰なの?そんな男の子の”孤独感”が出るように日本語訳して歌いました。

Viva la Vidaの意味

Viva la vidaは、英語でLive the lifeを意味します。

このタイトル、誰が「Live the life」と言っているのかによって意味合いが変わり、色々な解釈ができて、これもまた楽しいですね//▽//



例えば…

I live the life「僕」が主語の場合

僕はこの人生を生きるという強い決心を感じます。

live one’s own life”で「自立する」を意味する慣用句があるので、自分一人で生きるというニュアンスを感じます。

He says “Live the life”「彼」とは…?

”He”、つまり”彼”とは、St.Peterのこと。

歌詞の中で「St.Peter won’t call my name」という表現が出てきますが、直訳すると「聖ピーター(パウロ)は僕の名前を呼ばない」になります。
will + notはとても強い否定を表すので「絶対呼ばない」というニュアンスになります。

そして聖ピーターは現在亡くなって天国にいるので、そのピーターが「絶対に僕の名前を呼ばない」と言っているので…
「絶対に生きなさい(= Live the life!)」と聖パウロが「僕」に言っているという解釈もできちゃうんですね!

この場合、天から「生きなさい」と思し召しがあったと捉えられ、これまた奥が深いです…

「Viva la vida」を日本語で歌ってみたの歌詞

独りきりだった みんな僕を呼ぶけれど
僕は孤独な王様…昔々の話

思い通りだった 人の命さえ
無責任に人は 僕を崇めては唄い続けた
でも分かってたんだ ずっと ただ虚しくて
僕の部屋に残ったのは 乾ききった砂の柱

頭の奥で鐘の音が響き渡って…
僕はいったい誰? 誰も教えてなんかくれないさ
何もわからない 誰も 何も言わないから
そんな世界の 僕は王様だったんだ

風が冷たく僕を吹き倒した
誰かの怒鳴る声が響き渡る部屋へと
僕が見世物になるのをみんな楽しんでるんだ
あぁ王様なんて…
むなしくて さびしいだけ

I hear Jerusalem bells are ringing
Roman Cavalry choirs are singing
Be my mirror, my sword and shield
My missionaries in a foreign field

For some reason I can’t explain
I know St.Piter won’t call my name
Never an honest word
But that was when I ruled the world

頭の奥で鐘の音が響き渡って…
誰かの歌う声がする 僕に「生きろ!」って叫ぶんだ
誰もいない そんな世界の王様だったんだ
だけど僕はそれでも生きていくんだ

あぁ僕はそれでも生きていくんだ

 

Viva La Vida 和訳カバー色々

※ギター×ルーパーアレンジVerで

※ピアノ弾き語りで

ここまでご覧いただき、ありがとうございます!
「こんな考え方もあるんだな」や「こんな背景があるのか!」など、楽しんで頂けましたらとっても嬉しいです(*^^*)



トップ写真出典:photo AC
英詩引用:METROLYRICS